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うんこミュージアム 大ヒットの舞台裏 「世界にパラダイムシフトを」(前編)

2019.04.04

オープン1週間で1万人突破の大ヒット!うんこミュージアム誕生の舞台裏

2019年3月15日、アカツキライブエンターテインメントは「アソビル」をオープンした。コンセプトは、遊べる駅近ビル。横浜駅みなみ東口通路直通でアクセスできるその施設は、歴史を感じさせる旧横浜中央郵便局別館を丸ごとリノベーションしたものだ。6フロアそれぞれにテーマの異なる体験ができる複合エンターテインメントビルとして大きな話題となっている。

中でも、世間の注目を集めているのが「うんこミュージアム YOKOHAMA」だ。オープンからわずか1週間で来場者数1万人を超える大ヒットとなった。
厳選されたエンタメのセレクトショップと銘打たれたアソビル2階 ALE-BOX(エールボックス)の中でもひときわ異彩を放っている。

ウンスタジェニックでウンタラクティブ。そしてウンテリジェンスな体験が待っている

ミュージアムに入ると、まずは「マイうんこメーカー」から自分のうんこが出てきて、うんこへのささやかな抵抗が早くも打ち砕かれる。間髪を入れずに現れる巨大な「うんこボルケーノ」を前にした時には、既にクレイジーな世界の住人だ。その先には撮影を満喫できる「ウンスタジェニックエリア」、叫んだりふんづけたり、うんこを全身で体感できる「ウンタラクティブエリア」、 ミュージアムらしくうんこを学べる「ウンテリジェンスエリア」が待ち受ける。うんこ1本で貫く前代未聞のミュージアムからは、一様に無邪気な笑顔を浮かべた人々が出てくる。

面白法人カヤック×アカツキ。 2社のタッグで、常識を打ち破る挑戦へ

最高の盛り上がりを見せるこのミュージアムは一体どのように生まれたのか?
仕掛け人である面白法人カヤック プロデューサーの香田 遼平氏とアカツキライブエンターテインメント うんこミュージアム総合プロデューサーの小林 将が舞台裏を語った。

プロデューサー 香田 遼平 氏:Ryohei Koda面白法人カヤック 

新卒で面白法人カヤックに入社。6年程盆栽に夢中に。盆栽のウェブメディアの運営等をしていたが、最近はシャツにアイロンをかけることに夢中。うんこミュージアムの企画・プロデューサーを務める。

IAC award 2015 : Best Advertising Interactive Application PRアワードグランプリ PRアワードグランプリ ブロンズ GOOD DESIGN AWARD 2015 他 受賞多数

総合プロデューサー 小林 将:Masaru Kobayashiアカツキライブエンターテインメント 

慶應義塾大学卒、日本マクドナルドでマーケティングを担当。その後、スタートアップ1社を経て2017年アカツキに入社。

アソビル開業に際してアカツキライブエンターテインメントへ出向。うんこミュージアムがあるアソビル2階ALE-BOX責任者・総合プロデューサー。

アカツキ 小林(以降:小林) アソビルのオープンが決まり、2階にエンターテインメントフロア「ALE-BOX(エールボックス)」を作るので、カヤックさん一緒に面白いことしましょうと声をかけたのが始まり。アイデア出しからスタートしましたね。

カヤック 香田氏(以降:香田) そうでしたね。カヤックでは、スマホアプリ「うんこ演算」や、豪華な講師陣にうんこ視点で学べる「UN高」など、これまでうんこにまつわるさまざまなサービスを展開してきて、アソビルの話をいただいた時にもちょうど3次元のうんこ企画を1本考えていました。けれども、最初からうんこに絞った提案はなかなか厳しいだろうと。

そう思いながらもアカツキと一緒に創るなら、きっと非常にクリエイティブで面白いものが創れるという確信もあり、思いきって提案しました。

 

「マイうんこメーカー」の便座に腰かけ、ミュージアム誕生までを振り返る

小林 「ニッチすぎたり、まだまだ知られていないマイナーなものを取り上げるより、ある程度マーケットやマスの認知があるところで、僕らならではのエッジ出していって、他にはないコンテンツを生み出したいね」と話していたところ、うんこの話になって。カヤックが持っていたうんこの文脈とうんこという特異な素材を生かしたコンテンツを作れば、きっとものすごく面白いものになる。僕もそう思っていました。

反対されるという予想に反し「何これ?うんこじゃん。やろうよ」で決定

小林 しかし、あらゆることに挑戦できる文化を持つアカツキであっても、さすがに突然「うんこミュージアム作りたい」と言っても受け入れられないだろうと思い、しばらく企画を温めていて。そんなとき、ちょうどアカツキCOOが通りがかりにデスクの上の企画書を見つけ、「何これ?うんこじゃん。やろうよ」と(笑)。うんこミュージアムプロジェクトが本格始動したのは、ここからでしたね。

香田 カヤックCEOの柳澤にも、本気でうんこミュージアムに取り組むことになったと話を切り出したら、「いいね!今すぐやろうよ」と即答でした(笑)さらに「中学生になると途端にうんこから離れるから、そこは気をつけないと」という助言ももらいました。ここからは毎日うんこのことばかり考えていました。

うんこを手に盛り上がる香田と小林

「世の中にアンチテーゼならぬウンチテーゼを呈して、世界にパラダイムシフトを起こしたい」。固定観念との闘いが始まった

小林 過去に遡ってうんこ考察もしましたね。昔の日本では観念としてうんこが親しみある存在だった。それが衛生学的な観点から徐々に距離ができていって。さらにプライバシー主義が発達し、人は誰かとうんこの話しをしなくなり、うんこは閉じた世界の存在と化していった。 パブリックな場で「うんこ」と口にするのをタブー視するのも、そんな歴史からきているのでしょう。そのようにして築かれてきたイメージをあえて覆すように、ふれたり叫んだり、うんこをオープンにすることに可能性を感じましたね。

香田 はい。うんこの持つポテンシャルを強く信じてきた僕らカヤックとしても、うんこミュージアムは僕たちにしかできない方向へチューニングしたいし、これまでの経験を生かしながら、アカツキと一緒に過去を上回るものを必ず生み出せると考えていました。

小林 僕たちがやりたいのは、ただ「うんこを面白がること」じゃなかった。「イメージを覆す」と言いましたが、固定観念とは逆の世界を提供できた時、初めて面白さが成立する。「世の中にアンチテーゼならぬウンチテーゼを呈して、世界にパラダイムシフトを起こしたいんだ」そう考えていました。

例えば、うんこにはなかった「おしゃれ、かわいい世界をつくること」。しかし、どこに着地してもうんこを題材にしていること自体が大ボケになってしまうという問題が固定観念を打ち破る以前に横たわっていました。ここからお互い、いばらの道でしたね。

 

後編へ続く


執筆:松田 剛   撮影:大本 賢児   編集:坂井 朋子