VOICE Akatsuki 考える人のハートを、呼び起こす

WILLが見つからない時代に実践しておくこと。 塩田元規×前田裕二の20代

2020.07.01

WILLが見つからない、原体験がない、そんな悩みを持つ人は少なくないはずー。そんな問いかけに「WILLが見つからない時にこそ実践しておくことがある」と語るのはSHOWROOM代表の前田裕二さん。成長のために日々実践している習慣や心構えなど、自らの体験を元にした熱いメッセージとは。「熱狂を、仕掛けよう」をテーマにした、アカツキのプロデューサー職向け採用説明選考会「ACE」のイベントからお届けします。

前田 裕二 Yuji MaedaSHOWROOM株式会社 代表取締役社長

2010年早稲田大学政治経済学部を卒業後、UBS証券株式会社に入社。2011年、UBS Securities LLCに移りニューヨーク勤務を経た後、2013年に株式会社ディー・エヌ・エー入社。“夢を叶える”ライブ配信プラットフォーム「SHOWROOM(ショールーム)」を立ち上げる。

塩田元規 Genki Shiota株式会社アカツキ共同創業者

1983年 島根県出雲市生まれ。横浜国立大学電子情報工学科を経て、一橋大学大学院MBAコース卒業。 DeNAを退職後にアカツキを創業。著書に『ハートドリブン 目に見えないものを大切にする力』(幻冬舎)。

CONTENTS

  • 全能感からの失敗。足りなかったのは「覚悟」
  • ハードシングスが起きても「飲まれすぎない、俯瞰して見る」
  • WILLがなくても大丈夫。MUSTがCANが伸ばしWillを連れてくる
  • WILLとCANのどちらを選んでも正解。でも選んだら覚悟を決めて努力する
  • 「口癖」と「テンションが上がるスイッチ」で自分を上げていく
  • ポジティブな流れのために、日々信頼貯金を貯める

2008年のイブ、塩田さんに口説かれました

前田 初めて塩田さんとお会いしたのは大学4年の時でした。就職活動でDeNAを受験していたのですが、クリスマスイブに当時社会人1年目の社員だった塩田さんから、内定者の僕に長いアトラクト(口説き)のメールが届きました。

数的処理などコンサルティングファームのような入社試験があり、ロジック重視の印象が強かった当時のDeNAにあって、塩田さんは極めてエモーショナルでした。「人間らしい人」だなぁという印象でした。何より強く感じたのが、僕の「能力」よりも「僕自身と僕の人生」を見てくれているということ。何をするかよりも誰と仕事するか。この人と仕事をしたい!と純粋に思えたのが、学生の僕から見た塩田さんという人でした。

塩田 でも、前田くんはDeNAに入らず、N.Y.に行ってしまったんだよね。その後、南場智子さんが口説いてDeNAに入った。

僕が見ていた前田君は、努力しているのに、他人を下に見たりしない。頑張っていると周囲の人と戦ってしまう人が多いのに、前田君はそれがない。戦わずにみんなを連れていける、日本的な経営者の素晴らしさを持った人だと思います。そして、どんな人でも好きになろうと努力もする。年齢は4つ下だけれど、俺にないものをたくさん持っている、尊敬している人です。

本当は前に出るのが苦手。成功のためならストーリーを語る

ーー何を意識して20代を過ごしていたのか?

前田 26歳の頃、SHOWROOMを立ち上げて、後には引けない状況でした。自分たちがどんなに強く大きくなっても、その先にはGAFAがいる。言い表せない焦りが常にある。そんな時に、どう自分を奮い立たせ、彼らと伍して戦っていくのか。それは、シンプルに、「仲間」だと思いました。

まず、SHOWROOMは僕の原体験をベースに形作られたサービスだった。だから、「WhatでもHowでもなくWhy。なぜ僕はこの世界を作りたいのか」を自分自身が語ることで、このまっすぐな気持ちや熱量に共感してくれる人が現れると信じた。そうやって仲間が増えていけば、仮に小資本でも、絆や縁のレバレッジを効かせて、ジャイアントにも太刀打ちできるんじゃないか、そう考えました。

もともとは前に出るのがそんなに得意ではなかったのですが、どうやったら上手くいくのかを試行錯誤する中でたどり着いた答えが、戦略的に自分が前に出てマイストーリーを語り、「サービスにwhyを紐付ける」ことでした。

煮えたぎった気持ちがあって、「絶対に勝ちたい」「圧倒的に上に行きたい」と考えていた(前田)

失敗も多かった20代。足りないものは「覚悟」だった

塩田 イントレプレナーは覚悟の決まり具合が違うのではないか、と思っています。背水の陣で戦っているようで、実際はそうでもない場合もある。僕は成功するためには「覚悟を決める」っていうのが本当に大事だと思っています。

僕が20代の頃は、ひたすら「覚悟を決めること」を意識していました。DeNAにいた頃から「この命を、1日1日を何に使っているのか」を考えながら過ごしていました。今でも現在、明日、この後の1週間、ついてはこの先の10年、アカツキのために何をやるのがベストなのか「人生の進路」を掘り続けています。

起業したら「事業=自分」。最後の覚悟を決めることが全て(塩田)

前田 いわゆるサラリーマン的に新規事業をやっていた時は、「論理的に正しいことを一定の熱量でやれば、ひと事業ぐらい簡単に立ち上がるぜ」と思っていたのですが、これが甘かった。上手くいかなかった。当時を振り返ると、NY時代の成功体験から自分に「全能感」を感じ、おごっていたのだと思います。失敗を重ねる中で「事業の神様、ごめんなさい…」と初心に立ち返りました。

こうして初心に立ち返りある種の覚悟を決めると、目の前に時折現れるめちゃくちゃ辛いこと、いわゆるハードシングスさえも、全く違った様に見えるようになりました。どうやって僕たちはこのハードシングスを超えていくんだろう、と絶対に乗り越えられる前提で、ワクワクし、楽しんでさえいるのです。

塩田 それは物事の見方・捉え方も関係していて、時間と空間のスケールをひと回り大きくして、ハードシングスを捉えられているんだと思います。時間軸を広げて長いスパンで捉えると見方も変わるし、空間をひいて世界規模で考えてみたら大したことないって気付く。キーワードは「飲まれすぎない、俯瞰して見る」。成果を出してる人は物事の見方・解釈の仕方が、スポットライトの当て方が違うと思います。

全能感からの失敗の連続。「事業の神様、ごめんなさい。」(前田)

MUSTがCANを伸ばしWILLを連れてくる

――「好きなこと、やりたいことが分からない」という声も聞こえてきそうですが、どうすれば良いのでしょうか?

前田 最近よくこの話をしているんですが、今はやりたいことがなくても、今できるCANを続けているうちに出てくるWLLLもあります。好きを仕事にするのではなくて、目の前の仕事を好きになってもいい。急に「あなたのWILLは何ですか?」と聞かれると困ってしまうけれど、自分のWILLにつながりそうなMUSTに一度完全に身を委ねて、その中で全力でCANを伸ばしていったらいいと思います。

塩田 僕はWILLが見つからなくてもいいと思っています。今はまだWILLが見つからないという状況も、視点を変えたら「これからWILLが見つかる可能性は無限にある」とも捉れられる。ネガティブな要素のどこに注目するかで捉え方も変わるのではないでしょうか。

前田 今はまだ、確固たるWILLや、その元になりそうないわゆる「原体験」や「ストーリー」がない、という場合もある。むしろそれがほとんどなんじゃないかな。その場合、WILLがないことに落ち込まず、まずは、CANをつける方向に進んでみて下さい。WILLとCANのどちらを選んでも正解。一番重要なことは、どちらかを選んだら、周りの誰にも負けない強い覚悟を持って、人生最大の熱量で突き進んで欲しい。それだけです。

好きになれそうなMUSTを120%でやる。そうすれば、周りの人がぐうの音も出ないCANが身に付くはず(前田)

「口癖」と「テンションが上がるスイッチ」で自分を上げていく

――人生を楽しむために意識していることは?(学生からの質問)

前田 人生を楽しむために意識していることが、2つあります。まずは、口癖。「最高」「素晴らしい」とか、何においても、基本的に全力で肯定するようにしています。実際は焦っていても、「あれは最高だね」とか言う(笑)。

言葉って本当に重要で、自分の思考や志向の癖を決めるのも、自分の口が普段放っている言葉です。なので、行きたい方向に向けて、意図的に言葉を選んで口癖にしています。

もう1つは、「モード」に乗る。あ、雨だ。と思っても、その後、「雨楽しい、やっほーい!!!」って思うか、「雨だ憂鬱だ…」って思うかは、「モード」による。楽しいモードに乗るためには、自分のテンションが上がるスイッチのありかを知らないといけない。この世界は、自分の意識一つで、楽しくなれるかどうかが決まるんです。面白いですよね。

僕は自分がどうしたら楽しくなるか、そのスイッチをよく知っている。その「楽しい」モードをうまく使って、つらい現状も乗り切ることができる(前田)

塩田 どんな物事でもプラスに捉えるってこと。そうすると、目の前にある課題の解決が楽しくなってくるんです。それと、仕事で行き詰まりを感じた時は、利害関係のない人と楽しく過ごすことですかね。自分の心を解放して、新しい刺激を入れるようにしています。

――苦しい時の乗り越え方や、うまくいかなかったときのコツは?

塩田 「応援される人」は最後に絶対うまくいくと思います。そのためには、スキルよりも物事に対する姿勢やスタンスが重要ですね。

世の中にたくさんある「ネガティヴな発言」は、自分自身が試されているだけだと思うんですよ。ポジティブな気持ちで自分が出来ることを全力でやり続けていたら、ある時、他人の視線が変わる瞬間が絶対に来ます。

そのタイミングが来るようにするために、もし他人の期待が100%だったなら、120%にして返すとか、期待以上を続けて、日頃から信頼の預金を貯める。もし、結果で返せないのなら、例えば納期を1日早くするとか、他の方法を実践してみると良いと思いますよ。

僕たち30代も毎日迷うこと、不安に思うことはあります。そんな毎日でも自分を見つめて、覚悟を決めたら、圧倒的に努力する。みなさんも就職活動が大変だと思いますが、ぜひ、自分を大切にして頑張ってください。

取材日:2020年2月3日

アカツキ採用情報

アカツキでは2021年3月に卒業を予定している学生のみなさまを対象に、新卒採用をしております。
最終選考も含めてすべてオンラインで実施しておりますので、ご興味のある方は以下のサイトから、ぜひエントリーをお願いいたします。

アカツキ新卒採用サイト https://recruit.aktsk.jp/students/

文:池田 鉄平 写真:大本 賢児 編集:鶴岡 優子