VOICE Akatsukiエンターテインメントで未来を振動させる、アカツキのWebマガジン

TECHNOLOGY

アカツキR&Dチーム、世界最大CG技術の祭典「SIGGRAPH 2018」でAR技術研究を発表

2018.09.07

この夏、アカツキはR&D部門での開発が認められ、8月12日-16日にカナダのバンクーバーで開催されたSIGGRAPH (シーグラフ)2018に出展企業として初めて選出されました。

SIGGRAPHはまだ日本ではあまり知られていない展示会ですが、SIGGRAPHに出展できるということは、日本のゲーム会社として大変栄誉あることです。

現地を視察してきたメンバーとアカツキ R&D 開発者 谷口 大樹のレポートをもとに、SIGGRAPH2018の模様をご紹介します。

SIGGRAPHとはどんな展示会なのか?

カナダのバンクーバーで開催されたSIGGRAPH 2018(シーグラフ)は、アメリカコンピューター学会のコンピューター・グラフィックス(以下、CG)を扱う分科会の名称です。また、毎夏、北米で開催されるCGに関する国際会議/展示会の通称でもあります。この記事内でのSIGGRAPHは、主に国際会議/展示会のSIGGRAPHを対象としてご紹介します。

SIGGRAPHでは、最新の技術論文や3DCG制作技術が発表されます。
ここで発表された技術を用いて新たなゲームや映像作品が作られ、その課程で生まれた工夫がまたSIGGRAPHへ還元する、すばらしい循環が生まれています。

名実ともに世界最大かつ最先端のCG技術が集まる場であるSIGGRAPHは、世界中のCG研究者が出展を目指す場所でもあります。

アカツキがSIGGRAPHに出展した理由

アカツキは、SIGGRAPH 2018のVR/AR/MR部門であるImmersive Pavilion Villageの展示プロジェクトとして選出されました。

アカツキR&Dチームでは、主にAR/MRの分野で「現実世界と仮想世界をどう馴染ませるか?」といグラフィックの研究をしています。

その研究開発の成果として、「透明の敵と戦うARシューティングゲーム」(https://www.gizmodo.jp/2018/05/newar-game.html)を制作しており、そのデモを「THE INVISIBLE」というタイトルで展示しました。

アカツキは、透明の敵と戦うシューティングゲーム「THE INVISIBLE」を出展

 

近年、SIGGRAPHでは学術的成果にとどまらず、活用のアイデアが形になったインタラクティブな作品も重要視されており、それを狙った結果でもあります。

バンクーバーに渡ったメンバー(左からCTO田中、開発者の谷口、サポートメンバーの天野、小林)

左がアカツキR&Dの谷口 大樹

 

会場を視察してみて、全体的にVRの割合が多かったのが印象的でした。ただし、開発者と話してみると今後はARにも取り組みたいという声も多く、来年以降はARが増えてきそうです。その意味では、アカツキは早い段階からARに着手できているのではないかと感じました。

アカツキの研究成果をゲームとして体験する参加者

 

ARの中でも、アカツキR&Dチームの研究骨子であった光学的整合性(※)に注力していたチームは他になく、その点で独自性が際立っていました。

さらに、研究結果を具体的なゲームとして遊べる形にしていたチームも数少なく、そちらを満たしていたアカツキR&Dチームの展示は、最新技術を質の高い体験として感じてもらうことができたと思っています。

※ 現実世界の中にCGをいかになじませ、融合させるかという研究

Nianticなど世界的企業とアカツキが肩を並べて

Niantic, Owlchemy Labs, Paloma Dawkins などと肩を並べてのプレゼンテーション

 

SIGGRAPHには、HoloLensの開発者や世界的大ヒットゲームの開発者も参加していて、そこに自分たちの技術成果も並んでいるというのは、非常に刺激的なことでした。

NianticのAR空間でのマルチプレイに関する講演は、「モバイル環境下でいかにリアルタイム同期を実現するか」という素晴らしい内容でした。実は、アカツキ谷口からの発表も「モバイル環境下でいかに空間と馴染ませる表現を実現するか」であり、両社ともに方向性の近い課題に向き合っていることがわかりました。

世界的企業の技術者と交流し、プロダクトやプレゼンテーションを通じて、アカツキR&Dチームの研究成果の手応えをダイレクトに感じられました。また、こうして世界中の技術者が研究を進める中で、今後AR/MRの分野の技術革新は加速し、さらに素晴らしいプロダクトが生まれていくだろうという実感も湧きました。

没入感あるAR体験として高い評価

It’s Fun!!の声も多く、体験希望者の列ができました

 

さて、アカツキが出展した透明の敵と戦うARシューティングゲーム「THE INVISIBLE」ですが、出展中はブースでの体験者が途切れることはほとんどありませんでした。約250人の方が体験し、「It’s Fun!!」などと、楽しんだり驚いたりしてもらえました。

SIGGRAPHに参加したCG愛好家から専門家まで、世界各地から集まった方が自分たちのゲームに入り込み、遊んでくれている様子を目の前で見ることができたのが、うれしかったです。

「THE INVISIBLE」を体験してくれた8〜9歳くらいのお子さんに、「どのブースが一番楽しかった?」と親が聞いたところ、「断然ここ!!」と言ってくれたことも、とてもうれしかったです。また、カナダのトップ大学で、コンピューターサイエンスを学んでいる学生が「ぜひアカツキでインターンしたい!」と申し出てくれるなど、出会いもありました。

「このアプリはどこかで入手できるの?」「ストアに出して」という声も何度ももらい、自分たちの技術が世界で求められているという手応えをダイレクトに感じることができました。

実は海外の展示会ならではの課題も

苦労したのは、英語でのコミュニケーションです。展示初日はアテンド方法の調整に苦労しました。慣れない英語で伝えようとすると冗長な説明になってしまう。でも端折ると不足が出てきてしまいます。

しかし、初日に英語の得意なメンバーと色々試行錯誤した結果、2日目以降は非常にスムーズに回すことができるようになりました。プロダクト面でも展示用に毎日マイナーアップデートを入れて、最適な体験になるようにしたりと、かなり素早くPDCAを回すことができたと思います。

また、実はディスプレイが届いていなかったり電源タップが足りなかったりして、小さなトラブルはありました。バンクーバーではBest Buyで何でも揃えられるので、大きな問題になることもなくブースの設営もできました。

こうした海外の展示会ならではの課題も、経験を重ねることでどんどん上手くできるようになると思います。

世界最高水準のCG技術をアカツキR&Dから

今回のSIGGRAPHでは、現時点でのARデバイスで質の高い体験を届けること、プロダクトとしてまとめることを強く考慮したアウトプットでした。

次の1年は、光学的整合性という文脈は継続しつつ、より深く、より新規性・独自性・汎用性の高い技術研究を行いたいと考えています。

SIGGRAPHに参加して世界最高の基準にふれ、たくさんの刺激やインスピレーションを受けることがでました。それらもうまく消化・吸収して、アカツキR&Dチームの次なるステップに活かしていきたいです。

 

体験レポートや開発者インタビューは、国内外のVR/AR/MR最新情報を取り扱う「Mogura VR」にて掲載されております。

まるで光学迷彩 “見えない敵”と戦うARゲーム 開発に込められたこだわり