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アカツキゲームスに世界をめざすプロチーム「PULVEREX(パルブレックス)」が誕生!その狙いは?

2022.07.04

7月4日、アカツキゲームスに新たなeスポーツチーム「PULVEREX(パルブレックス)」が誕生しました。アカツキの実業団チームとして始動した「Team UNITE」から『マジック:ザ・ギャザリング』を除く部門が移籍。新設のきっかけや新チームに込めた想い、Team UNITEからのつながりについて聞きました。

渡辺 佑太郎 Watanabe YutaroPULVEREX / Team UNITE オーナー

2015年にゲーム業界未経験でアカツキに入社。CAPSチーム(「顧客とプロダクトの満足度最大化」させるチーム)にて、IPタイトルの運営や新規ゲームタイトルの立ち上げ等に従事。自身もeスポーツプレイヤーとして世界大会などに出場していた経験を活かし、2020年より「Team UNITE」のチームオーナー・事業責任者も務め、現在はアカツキゲームスで2022年7月4日「PULVEREX」を新設する。

eスポーツチーム2年目。「Apex Legends」で世界1位を射程圏内に捉えた

―新チームPULVEREX、新設のきっかけを教えていただけますか?

渡辺  2020年からTeam UNITEとして活動するなか、2022年の春に開催された『Apex Legends』の公式大会「Apex Legends Global Series(ALGS)」で、世界3位を獲得できました。いよいよ世界1位を射程圏内に捉えたことをきっかけに、競技としてもeスポーツビジネスとしても飛躍していくため、新たなプロチームPULVEREXを新設しました。

―実業団Team UNITEだけでは難しかったのでしょうか?また、どうしてこのタイミングなのでしょうか?

 渡辺  実業団として始まったTeam UNITEはゲーマーのバランス感覚を“専門性”と捉え、アカツキのメイン事業であるゲームの開発や運営にそのキャリアを活かしていこう、というのが出発点でした。

しかし、チームが拡大し、多角化したことで、アカツキの仕事をしながら競技に取り組むメンバーもいれば、専属プロとして活動するメンバーもいるという、異なる性質のチームが混在する状態に。ファンの方から見てもTeam UNITEというチームに対して分かりにくい部分があったかもしれません。

だからこそ、既存のチームの複雑さを解消し、マネジメント体制をチームの目的毎に最適化し、世界を目指していきます。そういった気合いの意味も含め、7月の「ALGS Chamionship」直前にPULVEREXを発表させていただきました。

―PULVEREXの目標を教えてください。

渡辺  やはり世界一になることです。「Apex Legends」については今シーズンのChampionshipで実現したいと思っています。2022年春の「ALGS」世界3位という結果。1位を目前にして掴めなかったことに、最初は、うれしいよりも悔しいというのが正直な気持ちでした。PULVEREXでリベンジしたいですね。

また、才能ある選手を獲得し新たな競技部門も立ち上げていきます。具体的には、VALORANT部門の設立を検討中です。世界を舞台に戦える、複数のタイトルで結果を残せればと思います。

退屈をぶっ壊す、刺激的な存在へ

―PULVEREXというチーム名の由来を教えてください。

渡辺  PULVEREX(パルブレックス)とは、「PULVERIZE(粉砕する)」と「REX(王者、および T-REXの恐竜が噛み砕くイメージ)」を組み合わせた造語です。

「退屈な日常を粉砕して刺激的な日々を提供する」という、これまでにないアグレッシブな想いを込めています。

―そうした想いの源泉はどこにあったのでしょうか?

渡辺  新チームの名称を考える上では、我々がファンや世の中に対して提供すべき価値を改めて考え抜きました。その際これまで応援してくださる方のお声を振り返っている中で、「大会を見て、明日も頑張れる」「毎日退屈だけど、Team UNITEを見ている時間が好き」「UNITE選手のプレイを見て涙が出た」といったお声をいただいていました。

Team UNITEから生まれたPULVEREXは、刺激的で楽しい時間を提供し、ファンの方が日々を生きる活力につながるようなチームでありたい。

ロゴやキャラクターもそうしたエネルギーに溢れたイメージを表現いただけるクリエイターさんや株式会社アブストリームクリエイションさん と協力して作り込みました。

ロゴ・ユニフォームデザイン:ゆうたONEさん

選手イラスト・世界観原案:ケイゴイノウエさん

―PULVEREXが世界一となるために、またファンにとって刺激的な存在となるために、力を入れているポイントを教えてください。

渡辺  部門ごとにコーチ、マネージャーをつけ、また選手が発信するための動画の編集チーム体制を組んでいて、プロ選手が競技活動とファンコミュニケーション2点に集中できる環境構築には自信があります。

大会前の追い込みではブートキャンプを行うこともあります。普段はオンラインでのやりとりですが、メリハリをつけることで集中力を維持できるという考えですね。

マイルストーンを着実に達成したTeam UNITE

―Team UNITEは新設から約2年経ちますね。振り返り、どう評価しますか? 

渡辺  eスポーツチーム事業のスタートとして、非常に良かったと思います。最初からプロ専業のチームを運営しようとすると、未知数の要素が多く選手にとっても安心して競技に臨む環境が提供できなかったのではと感じています。

「ゲーマーの鋭い感性をアカツキの自社サービス開発に活かしながら、競技でも高みをめざす」というWin-Winな関係では、そうしたリスクを緩和することが可能でした。アカツキゲームスはeスポーツと相性良いゲーム企業ですが、ゲーマーの能力は多様ですので、必ずしもゲーム会社でなくても実現できるモデルだと思います。

―具体的には、どのような働き方なのでしょうか?

渡辺  Team UNITEには現在『マジック:ザ・ギャザリング』部門があります。彼らの働き方を例にとると、10時から15時までは、ゲームバランスのチューニング業務を行い、15時以降から競技に専念しています。

しかし、大会直前には競技時間の比重を高め、逆に落ち着いているときにはチューニング業務を増やすなど、柔軟にやっています。ゲームバランスを担当する事業部のメンバーが理解してくれているので、そこは助かっていますね。

―成功した、と言ってよいのでしょうか?

渡辺  Team UNITEは「100点満点」と言い切るには、まだやりたいことは残っているのですが、当初思い描いていたことは全部実現できています。

世界3位を達成したことで、周囲の評価も変わっていきました。Team UNITE新設時に掲げていた「次世代eスポーツプレイヤー輩出」というキーワードは、今回のPULVEREX新設という形で、ひとつ具現化されたと考えています。

eスポーツ・選手の価値を証明し、世の中のゲームに対する価値観を変えていきたい

―eスポーツは、まだこれからが楽しみな領域です。ビジネス上のピークを迎えるまで「継続する」ことに関して、どんな意義を感じていますか?

渡辺  まだ成長段階にある市場なので、短期視点ではなく中長期で走り続けられる体制を作れるかがキーになると思います。

10年後には、今の10代が20代に、20代が30代になる。eスポーツ好きが世の中の大半を占める、日本にも本当の意味でeスポーツが浸透する時がきっと来ると思っています。それまでPULEVEREXも未来へ価値をつないでいきたいと思っています。

―つないでいく上での、課題はどんなところにあるのでしょうか?

渡辺  課題としては、eスポーツビジネスをファンビジネスとして成立させる必要があるということ。選手やストリーマーの影響力を、正しく認知してもらい、価値として還元していく必要があると思います。

そのために、アカツキゲームスの強みと、協力していただける企業様の強みをかけ合わせて、大きい仕掛けをしていけるように頑張ります。

次回は渡辺さんから見たPULVEREX所属選手の素顔やTeam UNITEとしての約2年間の歩みなどについてお聞きします。

文 RAIZOH 編集  大島 未琴 写真  大本 賢児