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アカツキがゲームキャラクターで考える「4タイプのリーダーシップ」とは?

2018.09.12

4つのタイプで見る「ヒーローシップ」

21世紀型のリーダーシップを「ヒーローシップ」と名付け、RPGのキャラクター仕立てでご紹介する本連載。前回は強みを活かしたリーダーシップについて見ていきました。

いよいよ今回はヒーローシップをタイプ別キャラクターで見ていきましょう!
自分やチームメンバーは、どのタイプに近いか?など、イメージしながら読んでみるのもおすすめです。

【エピソード1まとめ】

  • 21世紀型リーダーシップ=ヒーローシップには、「カリスマ性」のような特定の資質や性格特性はない
  • ヒーローシップに必要なのは「行動」である
  • 「行動」に対する得手不得手は、性格特性にひもづいている
  • 個人の強み(クセ)を活かしたリーダーシップの発揮方法を使うことが、ヒーローシップにおいて重要

これらをふまえ、現在アカツキでリーダーシップを発揮しているリーダー陣を分析し、それぞれがどんな特徴を持っているのか、結果にはどんな要因があるのか分析を試みました。

分析にあたっては、株式会社リクルートマネジメントソリューションズ(RMS) 組織行動研究所 研究員である荒井 理江さんに、アカツキのメンバーへのインタビューを実施いただきました。
RMSは多くの企業が導入している適性検査「SPI」の開発・運営会社であり、「個と組織を生かす」概念のパイオニア的な企業。荒井さんはそのRMSにおいて、個人がその人らしく社会で力を発揮できるキャリア発達をはじめ、各種調査・研究活動を行ってきた人材開発分野のプロフェッショナルです。

リクルートマネジメントソリューションズ(RMS) 組織行動研究所 研究員 荒井 理江さん

この時点で、アカツキは、定量データとして全社員のストレングスファインダー(以下SF)の結果を持っていました。その結果を用いれば資質や個別の特性はおおまかには想定できるものの、「それがどのように業務に発揮されるのか」といった総合的な評価はなかなか難しいことがわかりました。そこで、専門家による直接インタビューを実施して、定量と定性の両面から立体的に分析することにしました。
さらに、現在の発揮状況は、どのような経験から裏付けられるものなのかも合わせて分析することで、次世代のヒーロー育成にも役立つだろうと考えました。

インタビューを通じ、リーダー自身のこれまでの経験や特性、役割などから、荒井さんは「アカツキのヒーローは、4タイプに分類できる」ということを導き出しました。

アカツキのリーダータイプ

4つのタイプは、SFの「強みの資質」をベースに導き出しました。分類方法は、SFの「強みの資質」をもとに、その人の強みの順位に応じた重みづけを行い、図の4象限の中にマッピング。例えば、「戦略的思考」の資質と「実行力」の資質が多いヒーローは「剣士」タイプといったかたちです。

次に、ヒーローへのインタビューによって「経験してきた業務」「乗り越えてきた壁」「乗り越え方の傾向」「自覚している好きなこと」「ターニングポイントで、そばにいた人」などを定性的に分析しました。当初は定量と定性両面から立体的に分析することが目的でしたが、結果としてはSFによる定量分析と大きな差異はないとわかりました。

これらをRPGキャラクターの職業(タイプ)になぞらえ、次のように設定しました。

剣士タイプ

ゴールまでの道のりを描き、ものごとを力強く前に進める

みんなと一緒に前線に出て、ものごとを動かすタイプのヒーローです。 自ら傷だらけになりながらも、事業を前に動かします。

強み

  • ものごとを多面的かつ深く考え、進めていくのが好きです。特に課題に直面したときに能力を発揮します。一見どんなに難しい課題であっても、「これは乗り越えられる課題に違いない」とポジティブにとらえ、行動します。
  • 個の力を最大限に発揮して一点突破するのが得意です。

弱み

  • 力強く周囲を引っぱる反面、細やかなコミュニケーションは苦手な傾向があります。

聖騎士タイプ

多彩な人材が活躍できる組織体制を整え、チームを守る

人望があり、チームの力を引き出し、組織を1つにまとめられます。
チームメンバーを守り、活かすために最前線で戦って窮地を乗り越えていくタイプのヒーローです。

強み

  • 前向きで思いやり深く、相手のよい面を見ようとします。調和を保ち、波風が立たないように周囲をとりもつことができます。また、誰かが困っているのを見たときに、現実を見つめて「どうにかする」のが得意です。

弱み

  • 厳しいコミュニケーション(叱ったり、難しい課題を与えること)は苦手な傾向にあります。また、相手を思いやるあまり、自分で仕事を巻き取ってしまうこともあります。

錬金術師タイプ

誰も考えつかない新しい発想で虹色の夢を描く

ものごとを独自の見方で捉えた考えを周りに発信することで、それに魅力を感じた周囲が動いていくタイプのヒーローです。自分で前に進めるのはあまり得意ではありません。

強み

  • ものごとを深くじっくり考えるのが好きです。過去に出会たものごとや経験、周囲の意見など、さまざまな事象をもとにした独自の視点で考えを生み出し、それらを自信たっぷりに周囲に話します。普段あまり表面に出ることはありませんが、優れたアイディアを生み出して世の中を変えたい、という情熱が人一倍強いのが特徴です。

弱み

  • 生み出したアイディアを自分一人で実行するのは得意ではありません。そのため、周囲のメンバーをうまく動かす必要があります。

吟遊詩人タイプ

開放的・前向きなエネルギーでチームを盛り立てるムードメーカー

発想が得意ではありますが、その方向が「人を喜ばせる」だったり「鼓舞する」に特化したタイプです。このタイプがいると、チーム全員の士気が一層高まります。
一緒にいると元気が出るので、周りには人がたくさん集まってきます。

強み

  • 明るく前向きで、一人ひとりのよいところを発見し、活かそうとします。どこかで問題が発生していると、解決してあげたくなってしまいます。柔和な雰囲気とは裏腹に、意外にも競争心が強く、「この分野は一番になりたい」という思いを持っています。
  • 高い目標を掲げるよりも、自分自身や周囲の人がありのままでできることを好みます。

弱み

  • 声をあげたり動いたりするのは好きですが、最後までしっかりやり遂げるのは苦手な傾向にあります。

アカツキ流、ヒーローシップの活かし方

ヒーローシップのタイプがわかったら、次はどうするか?ですね。
前回も「クセ(強み)を活かす」ことが重要とお話しましたので、タイプ別にどう活かしたら良いかご紹介します。

ここでは、「プロジェクトが炎上した際、どのようにしたら価値を発揮できるのか?」というシチュエーションでタイプ別にどのように活躍できるのか、アカツキ流のヒーローシップの活かし方を考えてみました。

他のタイプよりも課題解決が好きなタイプ。
逆境にむしろ燃えたりすることはありませんか?
あなたはきっと、
この状況を解決するまで最後までやりきることでしょう。
自分の力を信じて、前へ突き進んでください。
きっと周囲の人も、
あなたの情熱に突き動かされることでしょう。

 

周囲で困っている人や心配ごとを
抱えている人はいませんか?
あなたは他の人より、
人の状況に敏感に気づくことができます。
逆に言うと、他の人はこの状況に
気づいていないかもしれません。
声をかけ、悩みを共有し、解決を目指しましょう。
もしかしたら、その人の抱えている悩みこそが、
全体のクリティカルなポイントだった、
ということもあるかもしれません。

 

あなたはこの状況を
他の人とは違う角度から捉えています。
あなたの視点で見つけた課題を、
他の人に教えてあげてください。
ただ、あなたの視点は他の人からすると
突拍子もないことのように
受け取られてしまこともあるので、
丁寧にわかりやすく説明することを
心がけてください。
それがきちんと伝われば、
周囲が動いて一緒に解決してくれるでしょう。

 

プロジェクトが炎上すると往々にして
誰もが自分のことで手一杯になってしまうものです。
そんなときにチーム全体を眺めて
鼓舞するのがあなたです。
あなたの些細なひとことや小さな心配りが、
ピンチを迎えたチームにとって重要な役目を果たします。
その一手は、あなただけが知っているのです。
みんなの「当たり前」の環境をつくっているのは、
実はあなただったりします。

 

ちょっと占いのような説明になってしまいましたが、1つのシチュエーションに対しても、こんな風にタイプごとに乗り越え方が違っています。自分のタイプを見極め、壁の乗り越え方を知っておくと、いざという時に自分らしく貢献できる動き方ができるでしょう。

「タイプとは異なる能力」で活躍中のヒーローも?

タイプ別に分類した結果を見てみると、タイプとしては「剣士」だが、どう見ても「錬金術士」の能力を生かして業務を進めている人の存在に気づきました。他にもそのような本来のタイプとは異なる強みを持ったヒーローが何人かいました。このようなケースでは、ヒーローとして自分の人生を切り拓くために行動し、「補完的な力」を身につけたと考えられます。本来の強みとは違う二次的な強みを、状況や努力のもと成長させてきた。すなわち、中心的な特性(タイプ)とは異なる、新たな能力ということです。私達はこれを「サブスキル」と呼ぶことにしました。

みなさん「自分は、このタイプで、サブスキルはこれだな」なんていう発見はあったでしょうか?
次回は、ヒーローシップをどう組み合わせ、さらに活かしていくかをお届けします。

参考書籍:マーカス・バッキンガム&ドナルド・O・クリフトン著「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす」

文:永沼 歩

大手メーカーのグループ会社でソリューションプランナーとして勤務。50名〜4000名規模の大手金融・情報系の企業に向けて、主に教育・研修制度の構築や研修の企画と実施を担当。中小企業から大企業の社員まで幅広い人材教育の経験を持つ。 その後、2015年アカツキに入社。アカツキRPG人事企画室WIZで人材開発を担当し、人事制度の運用、事業部支援や中途入社・新卒入社の適応支援や研修を担当。2018年よりアカツキ RPG(Relationship Produce Guild)にて、採用を担当。

イラスト: 掛川 奈里紗