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アカツキがリーダーシップではなく「ヒーローシップ」に注目する理由

2018.06.22

はじめに。21世紀のリーダーシップとは

突然ですが、「リーダーシップ」という言葉に対して、皆さんはどのような印象を受けるでしょうか。

現代はすべての人がリーダーシップを求められる時代だと言われています。
米国ペンシルバニア大学の人気ビジネススクール、ウォートン校の名物プログラム「トータル・リーダーシップ」にて、担当のフリードマン教授は以下のように述べています。

『みなさん。
リーダーシップとは、社長や政治家など一部のエリートのためのもので、
自分には無縁のものだと思いこんでいませんか。
リーダーシップとは、生まれついて備わっているもので、
努力して磨くようなものではないと思いこんでいませんか。
職場でリーダーシップを発揮しながら、
家族サービスや社会貢献も完璧にこなすのは、
不可能だと思い込んでいませんか。
今日からそうした考えはすべて捨ててください』
(「トータル・リーダーシップ 世界最強ビジネススクール ウォートン校流「人生を変える授業」スチュワート・D・フリードマン著 塩﨑彰久訳」

この本には、社会や市場の変化の影響で、誰かから指示を受けてそのまま従うスタイルではなく、個々人の価値観に基づくモチベーションが必要になってきている、すなわち公私を超えた形で「自分の信念や価値観に基づくビジョンを抱き、それに向けてまわりを巻き込んで実現に向けた行動をする」ことが必要だと述べています。

公私を完全に区別するのではなく、仕事の中でも自分の信念やビジョンを実現させるように働きかけるのです。

アカツキのリーダーシップの定義

アカツキCEOの塩田は、「会社と社員の関係はそれぞれの目的や利害を一致させて一緒に旅をする、対等なパートナー」だと明言しています。COOの香田も常々「会社はプラットフォームでしかない。そのプラットフォームを使ってどう自己実現できるかが重要」と話しています。

共同創業者 代表取締役 CEO塩田(左) 、共同創業者 取締役COO香田(右)

 

しかしながら、「リーダー」という言葉のイメージから、リーダーシップは経営者あるいは管理職、チームリーダーのような役職のある人が必要とするもの、という認識がある人も多いのではないでしょうか。

アカツキでは、リーダーシップを以下のように定義しています。

『「リーダーシップ」とは役割ではなく、環境を自ら変えていく行動、影響力、能力であり、すべてのメンバーに求められるものです。また、物事を自分事として捉える当事者意識もリーダーシップの一つ。アカツキは、すべてのメンバーにリーダーシップを持ってほしいと思っています。
– 「アカツキのコトノハ」 より』

言葉と物語を通じてアカツキの文化を共有する「アカツキのコトノハ」

 

繰り返しになりますが、アカツキでは、メンバーが自分のやりたいことを会社の中でも実現してもらい、それが会社の利益につながることを目指しています。仕事を自分事化し、自分のビジョン(やりたいこと)を仕事の中へ昇華することで、仕事に対するモチベーションも高まります。人生の主人公であり続けるために、チームやアカツキを良くしていくのは自分自身であるという意識が大切で、それこそがリーダーシップの根源なのだと考えています。だからこそ、すべての人にリーダーシップが必要なのです。

また、リーダーシップの発揮の仕方や領域さえもさまざまであっていいはずです。実はここも、リーダーシップを誤解するポイントの1つです。「私はみんなを引っ張るタイプではないし…。」と思ってはいないでしょうか。力強く仲間をひっぱるリーダーシップは魅力的なスタイルの一つではありますが、それだけがリーダーシップではありません。後ろから仲間を支えることも、ユニークなアイディアで人々を魅了することも、リーダーシップの発揮の仕方といえます。気がついたら周りに人が集まっている、それもリーダーシップです。

みなさんは、どんなやり方で周りを巻き込み、自分のビジョンを実現させるのでしょうか。

RPGのキャラで「ヒーローシップ」を探る旅

ここで、リーダーシップについて一度整理をします。

21世紀のリーダーシップとは

  • 自分の信念や価値観に基づくビジョンを抱き、それに向けてまわりを巻き込んで実現に向けた行動をすること。
  • すべての人が、公私を超えた形で自己実現をするために必要で、役職や役割には関係ない。
  • 発揮の仕方や領域もさまざまである。前に出るタイプや、後ろから支えるタイプなど、他の方法もある。

 

こうしてみると、「自分もリーダーシップを発揮してみたい」とか、「これだったら自分もリーダーシップを身につけられるかも」と思えてきませんか?

私たちはこの「21世紀のリーダーシップ」を誤解なく伝えるためには、どうしたらよいかを考えていくうちに、一つの仮説に行き当たりました。

それは、リーダーシップをRPG(ロールプレイングゲーム)にたとえることで、わかりやすく、伝わりやすくできるのではないか、という仮説です。

アカツキは、一人ひとりのリーダーシップが際立つ「カラフルなチーム」を目指しています。それはさながら、多彩なジョブのキャラクターがパーティで協力し、ドラマを繰り広げながら世界を救うRPGのようです。職業は異なっても、それぞれの突き抜けた得意領域でパーティを引っ張り、困難に立ち向かいます。一人ひとりが価値を発揮し、誰かが誰かに依存したりはしません。

カラフルなチームの「らしさ」を考えるアカツキの合宿(右、CEO塩田)

 

そこで、自分の人生を切り拓くために必要なリーダーシップを、本連載では「ヒーローシップ」と呼びたいと思います。ヒーローとは英雄、RPGの世界を救う主人公たちのことです。

実は、アカツキの社内では人事部を「RPG」と呼んでいます。「RPG」はRelationship Produce Guildの略で、人と人とのつながりを生み出す部署です。偶然ですが、RPGという名前の人事部であることからも、RPGで考えるということに縁を感じています。

新しい時代に必要な「ヒーローシップ」はどのように発揮されるのか。また、それは開発することができるのかを、今後の連載でまとめていきます。

 

文:永沼 歩

大手メーカーのグループ会社でソリューションプランナーとして勤務。50名〜4000名規模の大手金融・情報系の企業に向けて、主に教育・研修制度の構築や研修の企画と実施を担当。中小企業から大企業の社員まで幅広い人材教育の経験を持つ。 その後、2015年アカツキに入社。アカツキRPG人事企画室WIZで人材開発を担当し、人事制度の運用、事業部支援や中途入社・新卒入社の適応支援や研修を担当。2018年よりアカツキ RPG(Relationship Produce Guild)にて、採用を担当。